日本の夏フェスはすべからく春か秋にすべき

「フェス」と呼ばれるイベントがあります。

大勢のアーティストを集めて行われる野外ロックフェスティバルを始めとする音楽イベントとして認識されていますが、他にも○○フェスと呼ばれるイベントは本当に増えました。

フェスと言えば夏。そんなイメージがあります。

春や秋に行われるフェスもありますが、メインとなる大型イベントの多くは夏に多く企画されています。
夏はフェスの季節だ、フジロックだサマソニだ、俺はこの為に1年生きてきたんだぜ!そういう人もよく見かけます。
私もロックフェスが好きで、毎年いくつもの「夏フェス」に参加していましたが、いつも思っている事がありました。

「日本の夏フェスは春か秋にすべきではないのか?」

行けば行くほど、その思いは強くなっていったのでその理由をまとめてみました。

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暑すぎて楽しめない現実

数々の夏フェスに行ってみました。
暑い。本当に暑い。

もちろん天気の関係はありますが、そもそも夏フェスと言うのは遮るものが無い大きな会場で行われる事が多いです。
遮るものがあればステージが見えないので当然です。

フジロックのように超大型フェスでは木々も茂り休憩する場所も多くあるでしょうが、大きな公園や特設会場で行われる場合、だたっぴろいスペースにステージが組まれる事が多いと思います。
その場合、日影が無い。常に灼熱の太陽に晒される事になります。

ある年、とある夏フェスに参加しました。
その日は雲ひとつない晴天、猛暑日の続くまっただなかで遮るものの無い平野に何時間もいました。
もちろん、休憩エリアで日傘をさしたり帽子をかぶったりして休憩するようにしていましたが、ただ座ってじっとしているだけでガンガン体力を吸い取られるのが分かる。それくらいの猛暑でした。

アーティストのステージが始まれば、もちろんステージ近くに行って演奏を聴きたいのですが、あまりに体力を奪われて、猛烈な日差しの中を突進してゆく気力も奪われていました。
前に行ったら行ったで、炎天下の中の人ごみにまみれ、すっかり疲れ果てて音楽を楽しむどころではありませんでした。
結局、その日は後半に行くにつれ、遠くから静かに演奏を聴くにとどまりました。

夏フェスは暑いから楽しい!
そう思っている時期が私にもありました。

しかきこの時に思いました。
あまりの暑さは楽しもうと言う気力すら奪うのだなと。物理的に。

命の危険

夏になると連日のようにニュースで報道されるのが熱中症のニュースです。
夏フェスでも注意喚起をよく見かけます。

夏の真昼間、遮るもののない炎天下の中を何時間も動き回るのです。
普段から工事現場で外で働いてます!部活で8時間外で練習してます!と言う人はいざしらず、現代人の通常の夏の生活スタイルからすると、相当過酷な状態にあると言えます。

水分を取っても飲んだそばから汗で出て行ってしまう。
アーティストを見たい一心で無理してしまう人もいると思います。
その結果、とりかえしのつかない事態になる可能性だって大いにありえます。
自己責任と言えば自己責任ですが、夏フェスの怖いところだな、と思います。

子供が本当に危ない

最近はファミリー歓迎、お子様歓迎のフェスも増えたと思います。
私が行ったフェスでも、キッズエリアやファミリースペースが設けられているところがありました。

いいですね、家族でフェス。
普段なかなかライブなどに行けないお父さん、お母さんがこう言う機会に子供とともに音楽を楽しめるのはとても素晴らしい事だと思います。
子供が音楽に合わせて楽しそうに体を動かしたりしているのを見ると、こちらまで楽しい気持ちになれます。

でも、子供は大人以上に熱中症の危険があります。
家族で楽しんで欲しいからこそ、真夏を避けての開催の方がより安全性が高まるのではないだろうかと考えてしまいます。

乙女の事情

野外フェスでの乙女の事情。
それはもうただ一点、「日焼け」です。

ガンガン照りつける日差しは容赦なく肌を焼きます。
普段から何カ月も、毎日毎日美白に勤しんでいるのです。
この1日でここまでの苦労を無駄にする訳にはいかない…!

日焼け止めを塗りまくるのはもちろんですが、帽子にサングラス、長袖長ズボンに手袋までフルセット装備で参戦する人も結構いると思います。
私もそこまでいかなくとも、それに近いくらいのいでたちで参加した事があります。

これがまた暑い。
当たり前ですが、ただでさえ暑いのにさらに体を布で包んでたりする。(しかも紫外線をカットする為、黒)
蒸し焼きもいいところ。
たいてい暑すぎて後半どうでも良くなり脱いでしまうのですが、これが真夏じゃなかったら、と何度思った事か。(心の叫び)

まとめ(と、日程の問題)

以上が、私が「夏フェスは春か秋にすべき」と思った理由でした。
真夏の野外フェスは暑すぎて100%の力で楽しめない事、危険であることを主な理由として挙げました。
もちろん、私の体力不足や、夏の照りつける太陽の下で音楽を楽しむのがいいんじゃないか!と言う意見ももっともです。
それを否定するつもりはもちろんありません。
ただ、春、秋の開催であれば、よりフェスを楽しめるのではないかと考えました。

さて、現実的に考えてみると、問題になるのは日程だと思います。
大型フェスは夏休みに行われます。
通常日程では特に社会人は参加が厳しくなるでしょう。

…と、思っていざ調べてみたら実はそうでもありませんでした。
参考までに、動員数の多い4大フェスの今年の日程を見てみましょう。

7/24(金)~7/26(日)「FUJI ROCK FESTIVAL ’15」
8/14(金)~8/16(日)「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015」、
8/15(土)、8/16(日)「SUMMER SONIC 2015」
8/1日(土)、8/2(日)、8/8(土)、8/9(日)「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」

夏休みの開催は「ライジングサン」と「サマソニ」だけでした。
複数行きたい音楽ファンの為に、あえて日程をかぶらせない方針もあるのでしょうが、「フジロック」と「ロックインジャパン」は夏休みではありません。
夏休みでないならば、別に7月、8月の土日でなくとも、例えば4月、9月の土日でも日程的には問題が無いように思えます。

また、注目したいのが、4大フェスのうち二つが「単発フェス」である点。
「フジロック」「ライジングサン」は夜通しライブを行うオールナイト公演で、会場内にキャンプエリアもあります。
日程も3日間、移動も考えると3日以上の日程を確保する人が多いのではないでしょうか。

ところが「サマソニ」と「ロックインジャパン」は1日の公演が終わった時点で会場が一度閉まる単発フェスです。
来場者は一度会場から出て家に帰るなり近隣に宿泊するなりして、翌日にまた会場に行くようになっています。
1日のみ参加する人も、2日続けて参加する人も、これは通常の土日で参加しやすい内容と言えるのではないでしょうか。

なお、2015年の3連休を調べてみたら3連休は5回、うち9月の連休は5連休でした。
(1/10-12、7/18-7/20、9/19-23、10/10-12、11/21-23)
加えて、5月のゴールデンウイークもあります。
休みは意外に多いなと思いました。

現状、いわゆる「春フェス」と呼ばれる春に行われるフェスも増えています。
今年で言うと幕張海浜公園の「JAPAN JAM BEACH」と「Electric Zoo Beach Tokyo」、お台場野外特設会場の「SUMMER CAMP 2015」と「人間交差点2015」、赤レンガ地区野外特設会場の「GREEN ROOM FESTIVAL」など、アクセスの良い都市型フェスが中心に開催される予定。
秋の開催はまだ少ないようですが、もっと増えると嬉しいなと思います。

世の中には音楽好きだが体力的にフェスがキツくなってきた、と言う人も多いと思います。
この先、大型フェスもどんどん春・秋開催が増えればもっとフェス人口も増えるのではないかな、と思うのでした。
みなさんはどう思われますか?