PS4トゥモローチルドレンβテスト感想「私の町が順調に崩壊した軌跡」

PS4のダウンロード専用タイトル「トゥモローチルドレン」。
配信日は2016年9月7日です。

2016年6月3日から、72時間限定のオープンベータテストが行われたので喜んで参加してみました。
2014年にアルファテストが、2016年1月にクローズドベータテストが行われ、注目されているゲームです。

非常に楽しみにしていたのですが、実際参加してプレイするとかなり問題点の多いゲームだなと言う印象を持ったので、今回はその様子をレポートしようと思います。

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トゥモローチルドレンとは

The Tomorrow Children(トゥモロー チルドレン)公式サイトはこちら

開発は「PixelJunk」シリーズのQ-Gamesが担当。
独特の世界観と、単純だけど中毒性の高いゲームを作るゲーム会社です。
PixelJunk モンスターズに激ハマりした身としては、新作の「トゥモローチルドレン」にも期待が高まります。

配信日は2016年9月7日に決定しました。
いまのところ、パッケージソフトの販売は無いのでダウンロード専用ソフトになります。(PS Storeにてダウンロード販売)

特典付きの通常版「建国者パック」の価格は2,500円+税。
2016年秋ごろに、基本プレイ無料の「入植者版」が配信予定です。

「トゥモローチルドレン」は、簡単に言うと「資源を採掘してきて町を発展させる」事が目的の、一種の箱庭系ゲームです。
資源を使って建物を作ったり、怪獣に襲われるので迎撃兵器や防壁を整備して町を守ったり、マトリョーシカを集めて人口を増やして町を発展させていきます。
基本的にシングルプレイですが、半オンラインマルチプレイと言うか、普段は他プレイヤーキャラクターの姿はゲーム画面に表示されませんが、他の誰かが何かアクションを実行すると、一瞬だけ相手の姿がうっすらとプレイヤーの前に表示されると言う一風変わったオンラインゲームになっています。

動画を見るとわかるのですが、一番の特徴はその雰囲気で、ロシアっぽい共産主義的な暗い雰囲気と、クレイアニメのような無機質だけど暖かみのある映像が魅力的です。
キュー・ゲームス代表、ディラン・カスバート氏によると、「子供の頃からずっと冷戦時代のヨーロッパが持つミステリアスで、スリリングな雰囲気に惹かれていた」と言う事で、そういった雰囲気がバリバリに表現されています。

親切なチュートリアルもwikiもないゲーム

さて、ゲームをスタートしてみましたが、最初の本当に基本的な動作のチュートリアルが終わると、いきなり町に放り出されます。
その後はたまーに入る通信でアドバイスが入る事がありますが、基本的には放置プレイ。
すべて自分でやりながら学んでプレイしなければいけません。

とは言え、画面上にわかりやすい表示などもないので、本当に何をしていいのかわからない…。
とりあえずwikiが無いかネットをググってみたのですが、まっさらなwikiしか無い…。
探した中では、公式HPのこのページが初めに何をすれば良いかわかりやすかったです。

はじめての迎撃戦で迷惑プレイヤーになった私

町に放り出された私。
何をしていいかわからず、ひたすら途方にくれてウロウロしてしていました。

すると、町が何やら騒がしくなり、周りのプレイヤーがドーンドーンと大砲のようなものを撃っています。
遠くを見ると怪獣が!
The Tomorrow Children011
これが迎撃戦か!と、私も砲台に乗り、遠くの怪獣をヒャッハーと撃ちまくります。
しばらく撃っていると、弾が出なくなってしまいました。おわり。

…これ、今思うとかなりの迷惑プレイでした。
砲台での砲撃は、町の大事な資源を消費します。
町が壊されるほど近づかれたら迎撃する意味はありますが、遠くの方にいる怪獣をやみくもに撃って町の資源を消費するのは完全に無駄どころか迷惑な行為でした。
弾が出なくなったのは、誰かがせっせと集めてきてくれた町の資源(メタル)を使い尽くしてしまったからなのですね。
あの時の町の住民さん、ごめんなさい。

ここは世紀末か?

なんとなく島に行って資材を採掘してくればいいんだな、とわかってきた私。
バスに乗り、島に行き、せっせと資源を集めます。
The Tomorrow Children006
取った資源はバス停前の資材置き場に置いておくと、バスに積んで町まで運んでくれる事もわかったので、資材置き場に木を積んで悠々と町に帰ります。
すると、驚くべき事が起こりました。

「自分が採掘してきた資源を、他の人が奪って勝手に納品してしまう」

町にバスが着くと、資材置き場に荷物をおろしてくれるのですが、その瞬間、他のプレイヤーがワッと集まって資源を持っていってしまうのです。
たくさんの資源を積んで町に戻り、さあ納品しようと資材置き場を見ると木が1本しか残ってないなんてザラでした。

他プレイヤーは行動を起こした時だけ見えるシステムなので、それまで誰もいなかった場所に、資材が着いた瞬間にワッと人が現れて資材を強奪して行く姿はかなりホラーでした。

ここは世紀末か…?

トゥモローチルドレンで初めにやること

このように、よくわからないままプレイしていると逆に町の発展に損害を与えたり人に迷惑をかけると言う恐ろしいシステムにも関わらず、攻略情報などが無いので、トゥモローチルドレンで初めにやることをざーっと箇条書きでまとめてみました。

資源を取りに行く

The Tomorrow Children009
・定期的に町にバスが来るので取りあえず乗る
・島に連れていかれるので、島の資源を採掘して、町に持ち帰る
・石を砕くにはピッケル、土を掘るにはシャベル、木を切るにはチェーンソーが必要。無い人は町のショップで買える(それもわからなくて延々と木をピッケルで叩いてた)
・木を揺らすと果物が落ちるので、それを食べると体力が回復する
・木を揺らす行為自体も、労働ポイントになるので木を切る時は揺らしてからが良い
・資源を取ったら鞄に入れて、持ち切れない分はバス停の荷物置き場に置くとバスに積んで町まで運んでくれる(ただし、他プレイヤーに取られる可能性もあり(後述))
・島で敵に襲われたら銃などで反撃するしかない。町のショップで買えるが最初は買えないので延々逃げ回るしかない
・夜になると島が沈んで死んでしまうので、早めに町に帰った方がいい。空を飛べるジェットパックを入手したら、高台に避難して朝を待つのもあり
・町に帰ったら、町の資源置き場(資材がたくさん置いてあるところ)に置くと町の資源となり、施設や設備の工作・修理に利用できるようになる

その他の貢献

・電気がなくなると、ほとんどの施設は利用できなくなるので、町の中にある人力発電機(ランニングマシンみたいなやつ)で発電する
・イズベルグと呼ばれる怪獣が定期的に町を襲いに来るので、町にある砲台で迎撃する

評価

・町の中にある労働監査局(ドアが二つある建物)に行くと、それまでの働きを評価してもらえ、配給券がもらえる(レベルも上がる)
評価してもらわないと、働いても働いても配給券ももらえずレベルも上がらないので要注意。
・配給券とはお金のようなもので、ショップでアイテム(チェーンソーとか、銃とか)と交換することができる

町の発展

・資源で施設や設備を建設して町を発展させる。最初は何の建物が必要かわからないと思うので、やらなくてOK。レベルが上がって町に不足している建物などがわかるようになってから建設すること
・たまにマトリョーシカが落ちてる事がある。マトリョーシカを町にある「人形変換機」に乗せると、人民へと変換され町の人口を増やすことができる

やってはいけないこと

・砲台での砲撃は町の資源をどんどん使ってしまうので、怪獣が町に近づいてきた時だけ迎撃すること
・町に生えている木は非常時に使うために誰かが植えたもの。(町が破壊されると修理に木が必要)非常時でもないのに勝手に切らないこと。
・バス停の荷物置き場にある資源は、誰かが採掘してきたものなので、勝手に取らないこと
・むやみにいらない建物を建てないこと(町の資源を無駄に消費する)

ざっと挙げるとこんなかんじです。
最初はとにかく島に行き資源をあつめ、町の資源置き場にひたすら納品しましょう。
労働監査局で評価してもらうことも忘れずに。

私の町が順調に崩壊した軌跡

このように、「ちょっとそれどうなの」と言うシステムが所々に見られるトゥモローチルドレンですが、2日間ベータテストをプレイしてみた結果、私のいた町はことごとく崩壊しました。
町で起きた事はこうです。

メタルが足りないので島に採掘に行く

町に戻ると、他のプレイヤーが遠くにいる倒さなくてもいい怪獣をバンバン撃ってヒャッハーしてる

メタルが無くなる

怪獣が町を蹂躙するがメタルが無いので迎撃できない

怪獣に町をぶっこわされる

資源が無いので町の修理ができない

町がボロボロに

プレイヤーが次々とオフラインに

住人がいなくなる(崩壊)

製品版への改善案

画面上に町の資源を表示して欲しい

とりあえず、プライヤー同士のチャットだなんだよりも先にこれを実装して欲しいです。
トゥモローチルドレンはデザインや雰囲気に非常にこだわった作品だということは良くわかります。
画面にゲーム的な表示が何もないがゆえに、自分がクレイアニメの中に入ったような感覚が味わえるのがこのゲームの魅力だと思います。

ただ、あまりにゲーム的表示を削ぎ落とした結果、ものすごく遊びずらくなっています。

このゲームは基本的に「資源を取ってきて町を発展させる」訳ですが、「今この町にどのくらいの資源があるのか」がいちいちメニューを開かないと確認できない。
メタルが足りなければメタルを掘ってこないと怪獣が来た時に迎撃できないし、電気が足りなければ発電機で発電しないと町の電力が不足して施設が止まってしまう。

なのに、「今何が不足しているのか」がメニューを開かないとわからないのはあまりに不親切すぎるのではないでしょうか。
一応、町を歩いているとNPCが「メタルが足りないねえ」なんて話してたりするのですが、それも偶然遭遇しないとわからない。

また、プレイヤー各自が自発的に資源を取りに行かないのもこのゲームの大きな課題です。
一番大事な資源だけは、常に画面に表示しておいてくれれば、プレイヤーももう少し自発的に資源を取りにいくようになるのではないかと思いました。

働かざるもの食うべからず

ある程度の労働をした人だけが、町の資源を使えるようにして欲しいです。
ベータテストの状態だと、資源を取りに行ったり、発電したりせず、一切働かない人でも砲台からバンバン弾を撃って町の資源を消費してしまいます。
私のように、最初はゲームのやり方がわからないので、よくわからないままに町の資源を消費してしまうと言うのは良くあるケースだと思います。
特に新しいプレイヤーが多いスタート直後はそうなります。

資源を集めてくる人がいなく、使う人が多ければ当然町は資源不足になりすぐに崩壊してしまいます。
そうならないためにも、ある程度、資源を納品した人が、それに見合った資源を使えるような仕組みを作って欲しいです。

自分が取った資源は自分しか納品できないようにして欲しい

このゲームはプレイヤー同士が協力することを前提に作られたゲームなので、自分ひとりで資源を運ぶのが大変な時に他の人が助けてあげる事ができるように考えられたシステムなのだとは思います。

しかし、フタを開けてみれば上記のように、自分が取ってきた資源を他の人が奪って納品してしまうと言う事態が起きました。
どこにでも寄生プレイヤーはいるものです。
10人中、8人が真面目に働き2人が寄生する分には大きな問題にはなりませんが、2人が働き8人が寄生するような状態では町は成り立ちません。(当然真面目な2人のプレイヤーはログアウトするか他の町へ行ってしまう)

ベータテスト時点の感想まとめ

大好きなQ-Gamesの新作と言うことで非常に楽しみにしていますが、ベータテストに参加した感想は残念な結果になってしまいました。
良心に委ねられたゲームと言うのは難しいなあと痛感しました。
トゥモローチルドレン製品版の発売日は未定ですが、(2016年9月7日に決定しました)雰囲気は素晴らしいので、ゲームバランスやチュートリアルなどを調整し、製品版に反映されるといいなと思います。

追記(製品版に向けての調整)

オープンベータテストから、製品版に向けてかなりの調整が入ったようです。

「島で採掘した「資源」をバス停に置く労働に対して、「貢献度」を評価するようにしました。」
など、島のバス停に資源を置いた時点で貢献度が上がる仕組みになったのはとても良かったと思います。これで街でのバス停強奪事件を回避できますね。

内容的にはバランス調整の部分が多く、プレーヤーが悪さできないようにする(街の建物を攻撃できなくしたり)と言った内容が中心でした。
カオスな雰囲気を楽しんでもらおうと良心に委ねたら失敗したパターンですね…残念ですがプレイする側としては修正されて良かったです。

あとは市民で団結できるような仕組みができると、より盛り上がるのではないかなと思います。