カルディの「カカオ豆から作る手作りチョコレートキット」で失敗しないためのアドバイス
カルディで「カカオ豆からチョコレートを作れるキット」が売っているとツイッターで見て、早速買ってきました。
「キット=手軽に作れる」と言うイメージに惑わされて軽い気持ちで購入しましたが、現実はそんなに甘いもんじゃあなかった…。準備が足りなかったために、大変な苦労をすることになりました。
私のように軽い気持ちで「カカオ豆からチョコレートを作るなんて楽しそー!やってみたーい!」と思った方が痛い目をみないために、実際に作ってみた体験談とアドバイスを共有したいと思います。
あと、カカオ豆からチョコレートを作るのはかなり大変なので、「適当にやったらどうなったか」の結果も併せて残しておきたいと思います。
「カカオ豆から作る手作りチョコレートキット」はどこで買える?
同じようなビーン・トゥ・バーのチョコレートキットは、Amazonなどでも購入できます。
Amazonの「カカオ豆から手作りチョコレートキット」は自分でカカオ豆をフライパンで焙煎する、より本格的な商品です。
「カカオ豆から作る手作りチョコレートキット」内容物
パッケージを開封。ローストしたカカオ豆、てん菜糖(砂糖)、チョコレート型が入っています。
作り方はパッケージの裏に書いてあります。
基本的に湯煎して混ぜるだけっぽいので簡単そう(と、思ったのが間違いでした)。
カカオ豆からチョコレートを作ってみた
カカオ豆の皮剥き
まず、カカオ豆の皮を剥きます。
カルディのチョコレートキットはカカオ豆がローストしてあるので、自分で炒る必要はありません。
皮は固いイメージがありましたが、落花生の皮のようにスルッと剥けます。
皮剥き前と、皮剥き後。
皮が剥けないカカオ豆も、皮に爪を立てるとパカッと割れてくれます。
ただし、ローストされたカカオ豆の中身はとても砕けやすいので、力を入れすぎないよう注意。ちょっと強めに力を加えると、中身がボロボロになります。
山盛りのカカオ豆ができました。正直この時間が一番楽しかった。
香りがチョコレート!
あまりに美味しそうな香りなので試しに齧ってみましたが、味はあまりしません。焦げた節分の豆みたいな感じです。
カカオ豆を砕く
カカオ豆を細かく砕きます。
パッケージには「すり鉢で細かく砕く」と書いてありますが、そもそもすり鉢を持っていないので、ジップロックに入れて麺棒で粉砕してみます。
そこで、普段使っているコーヒーミルを綺麗に掃除して粉砕。めっちゃ細かくなる。そして楽。
後述しますが、このあとめちゃめちゃ疲れる作業があるので、この工程はできるだけ科学の力を借りる事をオススメします。
安い電動ミルなら2,000円くらいで買えるので、持ってないならこの機会に買いましょう。ついでに美味しいコーヒーも飲めます。
湯煎しながら擦る
鍋にお湯を張り、細かく砕いたカカオ豆を湯煎します。
よく分かってなかったので、とりあえず湯煎しながらスプーンで混ぜてみる。
10分後。サラサラだったカカオ豆が、砂風呂の砂くらいにしっとりしてきました。
ところが、30分経っても変化なし。一向に砂風呂状態から抜け出せません。
どこが間違ってるのかともう一度パッケージを良く良く見てみると…。
湯煎しながらすりこぎで擦(す)る。
ひょっとして、ひょっとしなくても、スプーンで混ぜているだけではダメなのでは…?
遅まきながら「すり鉢」と「すりこぎ」で「擦る」事が必要なのだと気づきました。
チョコレート作りにすり鉢は必須アイテムだった
家にすり鉢がないので、慌てて100均に買いに行きましたが…どこにもすり鉢が無い!!!
5件くらいの店を探して、ようやく駅から離れた大型のダイソーで発見しました。
手のひらサイズ!!めっちゃ小さい!!
知ってる…これトンカツ屋で胡麻擦り用に出てくるやつだ…。
これだとカカオ豆が少ししか入らないので本来であれば大きいすり鉢を購入したいところですが、困った事にこの日はバレンタインデー当日でした。前日に作っておかなかった自分を恨みつつ、買うしか選択肢がない。もう「一片でもチョコレートができれば良い」と言う所までハードルが下がっています。皆さん準備はお早めに…。
家に帰ってカカオ豆を入れてみるとキットに入っていたカカオ豆の1/3しか入らず、この後苦労する「すり鉢で擦る」作業を何度も繰り返すハメになりました。大きいすり鉢があれば一回で済んだのに…。
カカオ豆からチョコレートを作りたい人は、すり鉢は必ず購入しておきましょう。
カカオ豆をすりこぎで擦る
やっとすり鉢をゲットしたので、カカオ豆を湯煎しながらひたすらすりこぎで擦ります。何度見ても鍋に比べてすり鉢が小さすぎる。
湯煎しながら擦る(目安時間40分)と記載があります。
40分…一瞬見間違いかと思いましたが、40分です。まじか。
手のひらサイズのミニすり鉢(使いづらい)で、ひたすらゴリゴリします。
10分くらいすると、カカオ豆の油分が出てきてねっとりしてきます。見た目は味噌のようですが、感触はジョリジョリして砂遊びと言う感じです。
40分と言う終わりの見えない作業に気が遠くなりますが、ひたすらゴリゴリします。
そもそも、すり鉢って使った事がないので擦り方が合ってるのか分からないのですが、無心になって擦ります。
30分くらいすると、やや液状化してきました。本来であればもっと滑らかになるまで擦るべきでしょうが、疲れたので次の工程に移ります(妥協)。
すりこぎタイムpart2
ここまででかなり疲労しているのですが、ここからさらに「すりこぎタイムpart2」が始まります。
砂糖を入れてさらに擦るのですが、パッケージを見てみると
砂糖を加えて擦る(目安時間90分)
90分!!!!!
まじで?そんなに?90分も無心で擦れる?無理じゃない?
と、かなり無理目の目安時間を提示されますが、やるしかないので擦りましょう。
この「なめらかにツヤが出るまで湯煎と擦るのを繰り返す」作業は「テンパリング」と呼ばれるチョコレート作りの基本の過程のようですが、ショコラティエの皆さんは毎日こんな作業をしているのでしょうか?さすがにプロは機械なのか?
この時ほど科学の力を借りたいと思ったことはありませんが、とにかく心を無にして擦りましょう。90分。
とは言え、この90分と言うのは市販に近いなめらかな仕上がりを目指したもので、個人的には「食べられるレベルなら良し」と思ったので30分くらいで型に入れました(適当)。この適当な判断がのちにどう仕上がりに影響するのか、乞うご期待です。
型に詰める
かくして、本来40分+90分かけるべきカカオ豆の擦り作業を30分+30分まで短縮(?)して型に入れます。
見た目はツルツルで、結構いけてる気がする。
すり鉢が小さすぎたせいで、同じ作業を2回やりました。
さらに適当にしたらどうなるかと言う実験(と言う名目の手抜き)で、2回目の擦り時間はさらに短く、15分+15分くらい。
さすがに、ザラザラが目立ちツヤがありません。液状化も足りないのでボテッとしたチョコレートを無理やり型に詰めました。
カカオ豆から作ったチョコレートの仕上がり
下段の「手抜きバージョン」は見た目もボソボソしていますが、最初に作った上段のチョコレートはツヤツヤで綺麗な仕上がりです。意外にちゃんと出来たのでびっくり。
カカオ豆から作ったチョコレートの味
もともとパッケージに「機械で製造する市販のチョコレートに比べると仕上がりの食感は少しざらついたものになりますが、手作りならではの食感をお楽しみください」と注意書きがあります。
それを踏まえて食べてみると…
1回目作成:ザラつきはあるが、そう言う物だと思って食べれば全然いける。
2回目作成:かなりザラザラ。でも逆に「コーヒー豆入りチョコレート」みたいで美味しいかも。
チョコレートとしての味は、美味しいか不味いかで言うと「普通に美味しい」です。
両方とも酸味が強いのが特徴的。普段チョコレートを食べて酸味ってあまり感じることがないので、カカオ豆から作るとこういう味になるのかーと興味深かったです。酸味と苦みが中心のチョコレートに仕上がりました。甘さは砂糖の量で調整できるので、すり鉢で擦っている時に味見をして調整しましょう。
ザラつきは確かにあるのですが、カカオ豆だと思うと不快感は無いです。ただ口に豆のカスが残るので、後味はイマイチ。個人的には逆にもっと大粒にしても良かったかも?と思いました。
カルディの「カカオ豆から作る手作りチョコレートキット」で失敗しないためのアドバイス
実際にカルディの「カカオ豆から作る手作りチョコレートキット」を作ってみて、これから作る人に伝えたいアドバイスは以下の二つです。
すり鉢は必須
チョコレート作りなめてましたが、そもそもすり鉢でゴリゴリしないとチョコレートになりません。必ず用意しましょう。
私は100均でミニすり鉢を購入しましたが、小さいと何度も擦り作業をしなければならないのでオススメできません。大きめのすり鉢を用意しましょう。
擦るのは適当でもそれなりになる
実際に作ったものを食べてみて普通に美味しかったので、適当でもなんとかなるなと思いました。
少なくともチョコレート味にならないとか、固まらないと言う事はありません。
1回目と2回目を食べ比べてみると味はほとんど変わらず、擦り時間=ザラつきの残り具合の違いかなと思います。
パッケージに書いてあるようにレシピ通り作ってもザラつきは残りますし、時間をかければ市販品レベルでザラつきのないチョコレートになる訳ではないので、そこまで頑張って擦らなくてもいいんじゃないかなーと思います。
もちろん擦れば擦るほどザラつきは減って口当たりは良くなるので、あくまで「自分が頑張れるだけ頑張る」くらいの心持ちで作ると、楽しくチョコレート作りが出来ると思います。
作業は大変ではありましたが、普段食べているチョコレートがこうやって作られているんだなと理解できて楽しい経験ではありました。
お子さんと作ったりしても楽しいかもしれませんね。興味がある方は、ぜひ一度チャレンジして見て下さい!