東日本成人矯正医療センター(医療刑務所)の内覧会に行ってきた

昭島市にできる東日本成人矯正医療センターの見学会があったので、行ってきました。

東日本成人矯正医療センターは、平成30年1月に開設予定の医療刑務所です。

地元の人からすると「近くに刑務所ができる!」と言う事で心配な気持ちもあるでしょう。
今回、見学会に行って実際の施設はどうなっているのかを見てきたり、説明を聞いてきたので詳しくレポートしたいと思います。

具体的にどういう受刑者が入るのか?など医療刑務所への疑問と答えはこちらをどうぞ

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東日本成人矯正医療センターとは?

「東日本成人矯正医療センター」と聞くと、どういう施設かパッとわかりにくいですが、要は医療刑務所です。

・八王子医療刑務所
・府中市の関東医療少年院
・相模原市の神奈川医療少年院
・八王子少年鑑別所
・矯正研修所・国連アジア極東犯罪防止研修所
・中野区の矯正研修所東京支所
・千代田区の公安調査庁研修所

法務省管轄のこれらの施設を一ヶ所に集めたのが、今回昭島市(東中神駅)にできた「国際法務総合センター」。その中にある医療刑務所部分が「東日本成人矯正医療センター」です。医療刑務所としては日本最大規模です。

国際法務総合センター全体図

これが国際法務総合センターの全体図です。

東日本成人矯正医療センター

・右上1/4が東日本成人矯正医療センター(医療刑務所)
・右下1/4が研修施設
・左上1/4が医療少年院(現在建設中)
・左下1/4が職員宿舎

と言う構成になっています。
国際法務総合センター=東日本成人矯正医療センター(医療刑務所)ではなく、東日本成人矯正医療センターは国際法務総合センターの中でも1/4ほどの面積です。

国際法務総合センター自体が「刑務所」と言うイメージも強いですが、実際は面積の半分は研修施設や職員宿舎で締められています。

東日本成人矯正医療センター内覧会レポート

ここからは、実際に見学会に参加したレポートです。
なお、建物内の写真や動画撮影は禁止で、携帯電話やスマホは最初に預ける形になっているので残念ながら内部の写真はありません。出来る限りわかりやすく、文字で伝えたいと思います。

東日本成人矯正医療センターまでの道のり

東日本成人矯正医療センターは、JR青梅線東中神駅より徒歩10分です。
結構距離がありますが、大きい一本道なので体感的には短く感じます。

東中神医療刑務所

余談ですが、東日本成人矯正医療センターの目の前の大きな土地が工事中でした。
発注者が都市再生機構となっており、宅地整備工事の看板が立っています。

東中神都市再生機構

都市再生機構の資料を見ると民間利用、となっているのでUR賃貸住宅ではなく民間のマンションが建ちそうです。かなり広い土地なので、大規模なマンションになりそうですね。

現地到着

現地到着。当然ですができたばかりなので綺麗な建物です。

昭島医療刑務所

手前の白い建物が研修所、奥に小さーく見えるのが職員宿舎です。職員宿舎も綺麗な新築マンションです。

東日本成人矯正医療センター内覧会

国連アジア極東犯罪防止研修所の外にあったカフェっぽいテラス。食堂などになるのかもしれません。

東日本成人矯正医療センター見学会

手前が公安調査庁研修所、奥が東日本成人矯正医療センターになります。

国際法務総合センター見学

受付と、スライド説明

受付で用紙に名前と住所を書き、携帯電話を預けてから2階のロビーで待機。

受付ではEXILEのATSUSHIさんが作曲した楽曲がBGMとして流されていると張り紙がありました。刑務所でEXILEと言うのは突然すぎて驚きましたが、どうやらATSUSHIさんは法務省の「矯正支援官」と言うものになっており、刑務所の慰問などを行っているようですね。

ロビーでしばらく待って、会議室のような部屋に移動。スライドで5~10分ほど施設の説明を受けてから、案内役の刑務官2名と一緒に施設内の見学に移ります。

見学会は午前の部と午後の部に分かれており、午後の部は13時から。13時半頃に到着しましたが、30名ほどの人が待っていました。見学中に同じく30名ほどの他のグループと遭遇したので、人数がある程度集まったら順次案内しているようです。おそらくほとんどが地元の人だと思いますが、思ったより多くの人が集まっており関心の高さが伺えました。

棟と棟の移動(警備体制)

まずはスライド説明を受けた管理棟から、受刑者が収容される収容棟へと移動します。

連絡通路は二段階でしか移動できない仕組みになっており、まずはA棟から連絡通路に。連絡通路からB棟にと言う手順を踏みます。A棟の扉とB棟の扉は同時に開かないようになっているので、万が一片方の扉が破られても対応できる作りになっています。

扉のロックは暗証番号入力+カード+手のひらをかざす(静脈認証?)の三つを使用するシステムです(ちなみに富士通製でした)。当日はカード無しで、番号入力と手のひら認証のみでロック解除していました。

現在、隣の敷地に医療少年院・少年鑑別所を建設中ですが、そちらで治療が必要な受刑者がいる場合も、同様の連絡通路を通ってこちらの棟に来るそうです。

受刑者の個室見学

いよいよ受刑者が収容される棟の見学です。

第一印象は「病院みたい」でした。
床も白、壁も白、天井も白。見渡す限り真っ白です。
フロアには受刑者が収容される個室、配膳室、リネン室、浴室などが並んでいます。

受刑者の個室は、鉄格子付きとは言え窓があって光が入り、真っ白の部屋なので思ったより明るい印象。ベッドがまだ入っていなかったので広くてなかなか快適そうに見えます。
簡単な棚と、仕切りのないトイレが部屋の隅に備え付けられており、テレビはある部屋とない部屋があるそうです。

刑務所の個室を見るのは初めてでしたが、映画などで見る「コンクリート作りでじめじめした暗い印象」はなく、明るい部屋だったのが意外でした。

体育館、手術室の見学

個室を見たあとは、フロアを周りながら体育館、手術室などを見学。

体育館は学校の体育館を小さくしたような作り。ガラス張りの2階からの見学です。
日本成人矯正医療センターは男性も女性もいるので、慰問コンサートなどが行われた際に男女が一緒にならないようにこのような見学スペースが設けられているそうです。

何故か「受刑者の収容棟と同じ敷地内なので一般開放はできません」と説明があったので、市民からそう言う要望があったのかもしれません。一般解放されても…と言う気もしますが、セキュリティ上は当然の判断ですね。

手術室は最新の設備を揃えているそうで、手術をしたことのない私はいまいちピンとこなかったのですが、先日手術をした同行者はしきりに「すごい!やっぱり違う!」と感心していました。

刑務官用の道場の見学

刑務官用の道場では、刑務官の方々が日々剣道や護身術など鍛錬を積んでいるそうです。

トレーニングは勤務時間外に行うとのこと。つまり、給料が出ないサービス残業…!
勤務時間はどうしてもスケジュールがガチガチに決まっているので、その中にトレーニングの時間を入れるのは難しいんだとか。

先日、外国人が日本を視察する某テレビ番組で、警察庁の早朝トレーニングが勤務時間外と言う放送がされて一部で話題になりましたが、警察庁も法務省もこの辺りは考えて欲しい所だなと思いました。残業代出すか、せめて勤務時間に組み込んであげて…。

面会室の見学

最後に、受刑者と外部の人間が面会する面会室の見学です。
面会室エリアは受付の横に入口があり、外部から直接入ることができます。

ここも病院の待合室、と言う雰囲気で、受付票を書く場所やロビーがあり、個別の面会室が5部屋設置されています。

面会室はドラマなどで良く見る、部屋の真ん中がガラス張りで仕切られた個室。まさにあのままです。
ドラマなどでは顔の高さに丸く穴が開いていますがそれは無く、ガラス下部がメタルのメッシュ貼りで声が通るようになっていました。これも最新式でしょうか?

東日本成人矯正医療センター内覧会まとめ

今まで刑務所と言うものを見たことがないので、医療刑務所と言う特性上なのか、他の刑務所もそう言うものなのかは分かりませんが、非常に明るくて綺麗な施設だったので驚きました。

窓に全て鉄格子がはまっていることを除いては、本当に普通の病院、と言う雰囲気です。
「刑務所」と言う響きでネガティブなイメージを持っていましたが、実際に見てみてだいぶイメージが変わりました。近隣にお住まいの方で不安に思う方は、また内覧会があったら是非参加してみてください。

現在、東日本成人矯正医療センターの横に医療少年院の棟を建設中です。
そちらも完成して内覧会があったら、行ってみたいと思います。

当日の疑問・質問などはこちらにまとめました