漫画喫茶でGear VRを体験してきたので正直なレビュー、注意点
Gear VRってどんなものか試してみたいな、と思っていたら漫画喫茶で体験ができると知ったので行ってきました。
結論から言うとガッカリな結果に終わってしまいましたが、Gear VRが気になっている人のためにGear VRのお試し体験ができる場所、実際体験してみた詳しいレポート、注意点などを共有したいと思います。
Gear VRってなに?
GearVRとはアメリカのOculus社と韓国のSamsung(サムスン)社が共同開発したVRヘッドセットゴーグルです。
Samsungのスマホ「Galaxy」をセットしてスマホの画像を見るGalaxyスマホ専用VRゴーグルになっています。
Oculus社はより本格的なPC用VRゴーグル「Oculus Rift」を開発していますが、本格的なだけにお値段もそれなりでございます。
Oculus Rift、HTC ViveとPCで楽しむ高価なVRゴーグルが多い中、Gear VRは1万円ほどで買えるお手軽なVRゴーグルとして販売されています。
「Gear VR」と「Oculus Rift」の違いはこちらをどうぞ
Gear VRお試し体験ができる場所は?
Gear VRを楽しむにはGear VR本体とGalaxyスマホが必要ですが、持ってないけど見てみたい、買う前にお試ししてみたいと言う人のために全国123店舗で「VR THEATER」と言うお試し体験を行っています。
対象店舗は自遊空間、ワイプ、メディアカフェポパイ、バグースなどの漫画喫茶が中心ですが、カラオケ屋やゲームセンター、カプセルホテルなどもあります。
Gear VRお試し体験の料金は?
Gear VRお試し体験は無料かと思っていたのですが、行ってみたら有料でした。
Gear VR本体のレンタルに料金がかかる訳ではないのですが、Gear VRを借りる際に有料コンテンツの視聴チケット購入が必須となります。
念のため「無料コンテンツだけ見ることはできますか?」と聞いてみましたが、ダメとのことでした。
現在配信されている有料コンテンツは下記3つなので、この中からどれかを購入する事になります。
・進撃の巨人展 360°体感シアター “哮”(600円)
・攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver(600円)
・恐竜戯画(300円)
私は進撃の巨人を選択しましたが、600円の価値があるかと言われると快くYESとは言えない結果だったので、Gear VRを体験したいだけなら一番安い恐竜戯画でいいと思います。
Gear VRお試し体験で視聴できるコンテンツは?
上記の有料コンテンツ3つの他に、Gear VRお試し体験「VR THEATER」では360°動画ポータル「VR CRUISE」の無料コンテンツを見る事ができます。
ロート製薬とコラボした初音ミクのVRライブ、「ももいろクローバーZ 桃神祭2015」のVRライブ、ベイスターズのチアガール?達が踊っている動画などが、色々と用意されています。
今は映画「ライチ☆光クラブ」の360°プロモーションムービーが見れるとのことだったのですが、実際に見ようとしたら何故かありませんでした。残念。
漫画喫茶でGear VRを体験してきた!
下調べが終わったので、家の近くの漫画喫茶「自遊空間」で体験してきました。
入口に大きく看板が飾ってあります。
15時~18時 随時受付中!と書いてあったので時間が決まってるのかな?と思いましたが午前中に行っても大丈夫でした。
受付で「Gear VRできますか?」と聞くと「あーっと、はい、ちょっと待ってくださいね」と慌ててマニュアルを見る店員さん。
その後準備に手間取り、渡されるまでかなり時間がかかりました。
後述しますが、時間には余裕をもって行った方が良さそうです。
受付が終わりブースへ移動。
渡されるのは「Gear VR」、「紙のアイマスク(汚れ防止用)」、「有料コンテンツ(今回は進撃の巨人を選択)を見るためのQRコード」の3点です。
ヘッドホンは、ブースに備え付けのヘッドホンを、Gear VRにセットされているGalaxyスマホに指します。
セットされているスマホはGalaxy S6(SC-05G)でした。
紙のアイマスク。こう言うのも売ってるんですね。
めちゃくちゃずれやすくて使い勝手はいまいちでしたが、肌に当たる部分がどうしても汚れると思うので知らない人とVRゴーグルを共有する漫画喫茶などではありがたい存在です。
3点の入ったカゴをポイッと渡されただけで、口頭での説明や紙のマニュアルが一切無かったので焦りましたが、Gear VRを装着すると操作方法が表示されるようになっているので説明書が無くても安心です。
Gear VRは右のこめかみ部分にタッチパッドと戻るボタンがついているのでその説明と、ジェスチャー(一点を見つめ続けると選択ボタンを押した事になるなど)の説明が画面上に出るので、この最初の操作説明で、操作はだいたいわかるようになっています。
Gear VRを装着して操作説明を見終えると、コンテンツ一覧が表示されます。
コンテンツを見つめ続けると、そのコンテンツを見る事ができます。
進撃の巨人のような有料コンテンツも一覧に表示されてはいますが、選択するとお金を払った際に渡されるQRコードを読み込むように言われるのでQRコードがないと見る事はできません。
Gear VR各コンテンツの感想
ここからは実際に各コンテンツを見てみた感想です。
私は以前PlayStation VR、Oculus Riftを少しだけ体験したことがあるので、評価は辛めになってしまっています。
進撃の巨人展 360°体感シアター “哮”(600円)
2014年の進撃の巨人展でも提供されていた、5分ほどのVRコンテンツ。
内容はトロスト区奪還作戦の一部で、エレンが穴を塞ぐところを見守る?内容になっています。
第一印象は、とにかく映像が汚い!!
キャラクターの造形や街の造形が全体的に荒く、雑な印象です。
これがスマホの限界かなとも思いましたが、最近の3Dモデリングのスマホゲームの方がはるかに綺麗なことを考えると、スマホの問題と言うよりは技術的な問題なのかなと思いました。
「一昔前のCG」という感じでしたが、実際に一昔前なので仕方がないのかもしれません。
街を立体起動装置で飛び回る所や巨人に食べられそうになる所などでは、少しだけ臨場感を感じられる部分もありましたが、全体的に立体感がなく、入り込めるような感覚もなく、600円は「高すぎ」の一言に尽きました。
初音ミク VR Special LIVE(無料)
ロートデジアイ×初音ミクがコラボしたVRライブ。
お花の球体に乗ったミクさんがVR空間を飛びまわりながら歌います。
これも画質の悪さが目立って残念。
目の前に立つくらい近づいているシーンではそこそこ綺麗でしたが、元の画質が粗いのでミクさんが遠くへ移動すると細かい部分が表示されずに映像が完全にぼやけてしまいます。
また、ミクさんが目の前に来て、こちらに向かって手を振るシーンがあるのですが、手の動きについていけないのか?画像がカクついているのが残念でした。
Unity-chan! Candy Rock Star Live Stage!(無料)
ゲーム開発用ソフトを手がけるユニティ・テクノロジーズのオリジナルキャラクター「ユニティちゃん」のダンスムービー。
今回視聴した中で、一番(唯一?)立体感を感じられる作品でした。
黒背景とパキッとしたCGっぽいステージにしたことで、奥行きが感じられたのかもしれません。ユニティちゃんのモデリングも綺麗でした。
VR桃神祭2015(無料)
2015年夏にももいろクローバーZが開催した「ももいろクローバーZ 桃神祭2015」のVRライブです。
自分はステージ上にいて、客席を向いている構図になっています。
見て驚いたのですが、映像は45秒!!
大々的に宣伝しておいて45秒は、いくらなんでも短すぎでは…。
ライブの一部をほんの少しづつ切り取って繋ぎ合せた内容なので曲を聞く、ライブを見ると言うよりは、雰囲気を感じて終わりという印象でした。
CGでなく実写のコンテンツを見るのは初めてなので楽しみにしていたのですが、立体感はなくあくまで「360°映像を見る」だけなんだなと思いました。
それはそれで、需要はあるのもだとは思いますが、VRゴーグルに期待されるような「仮想現実感」「没入感」は感じられませんでした。
最後に百田夏菜子ちゃんが自分の周りをぐるっと1周してくれるのがVRらしい?360°演出でしたが、せっかくメンバーが5人もいるので、せめて1曲くらいはフルで聞かせてくれて周りを見回して色々なメンバーを見る、と言う体験ができると良かったのになーと思います。
360°ベイスターズ(無料)
横浜DeNAベイスターズのオフィシャルサポーティングガールズユニット「diana(ディアーナ)」(チアガールのような人たち)がハッピースターダンスと言うベイスターズのダンスを踊ってくれます。
これも没入感はありませんでしたが、ガールズユニットに囲まれると言う体験ができる事に価値があるのかもしれません。
ちなみに、この「360°ベイスターズ」はGear VR公式プロモーション映像の一発目にも登場するので良かったら見てみて下さい。
Gear VRお試し体験の注意点
全体的にガッカリな結果になってしまったGear VR体験でしたが、漫画喫茶で実際に体験してみて感じた注意点などを共有しようと思います。
時間には余裕をもって行きましょう
上記で少し書きましたが、入店する際にものすごく時間がかかりました。
今回行った漫画喫茶がたまたま慣れていなかったのかもしれませんが、漫画喫茶側でGear VRの最初の設定をする必要があるらしく、PCをいじりまわし、Gear VRをいじりまわし、店員さんがどんどん集まってきて、結局3人がかりで20分くらいかかりました。
Gear VRを渡されてブースに入り視聴をはじめてからも、店員さんが刺してくれたヘッドホンから音が出ず大音量でミクさんの歌声が漫画喫茶に響き渡ったり、ヘッドホンを刺しなおそうとイヤホンジャックを触るとスマホがGear VRから外れてしまい(多分ツメへのセットが甘かったんだと思います)設定画面に戻ってしまったりと、何度か店員さんを呼ばなければいけない事になり、意外に時間がかかってしまいました。
私は次に予定があって1時間しかいれなかったので、なかなかスムーズにGear VR体験ができずかなり焦ってしまったので、予定のある人は少し余裕をもって入店した方がいいと思います。
友達と行くのがオススメ
Gear VRを体験できた事はとても良かったのですが、Gear VRを見るだけで600円と言う料金は正直高かったなーと思います。
有料コンテンツはホームページに「原則、お1人1回の視聴料金となります」と書いてあったので1回しか見れないのかと思っていたのですが、続けて視聴してみたらもう一度QRコードを読み込めば普通に見れました。
「チケット購入後、ご覧いただける時間に制限がございます」と書いてあったので時間制限はありそうですがそこまで短くなさそうなので、友達と行って料金はワリカンして交替でGear VRを楽しむのが安上がりでいいかな、と思いました。
自分のGalaxyスマホを持ってくのもアリ
Gear VRはGalaxy S6、Galaxy S7に対応しています。
漫画喫茶で貸し出しているものはGalaxy S6だったので、画質の悪さはそれも原因だったのかもしれません。
また、コンテンツも用意されたものしか見れませんが全体的に古いものが多かったので、最近作られたコンテンツならより没入感のある体験ができたのかもしれません。
店頭で借りれるGear VRはスマホがツメにセットしてあるだけで外せるので、Galaxyスマホユーザーの人は自宅でコンテンツを入手し、漫画喫茶でVRゴーグルを借りて自分の好きなコンテンツを楽しむと言うのも使い方としてはアリだなと思いました。