パワーラック(ハーフラック)でホームジム化したら最高だった、が…

自宅にパワーラック(ハーフラック)を購入して1年近く経過しました。

私が買ったハーフラックはパワーテック社のWB-HR16という商品で、最高級とはいかないものの、国産の廉価品と比べて耐荷重が高く、ぐらつきも少ない素晴らしいものでした。WB-HR16にはチンニングバー(懸垂用のグリップ)もついており、これがまた控えめに言っても最高でした。背中に、腹筋に大活躍。

ジムのように混雑を気にすることなく、自宅で本格的なウェイトトレーニングがいつでも出来るというのは最高に快適で、鍛える部位を毎日変えることで週5日程度の筋トレを実現し、着々と肉体改造を進めてきました。しかし…最近自宅でのトレーニングに満足出来なくなっている部分も出てきました。

ということで、今回は、自宅にパワーラック(ハーフラック)を購入して1年近く経過した私が、自宅にトレーニング設備を揃えるということについて、メリット・デメリット含め、率直な感想をお伝えしたいと思います。

パワーラック(ハーフラック)の導入はモチベーション維持には大きな効果がある

ハーフラックを購入してから、一番変化があったのは、肉体ではなく精神的な部分でした。

ジム通いを行っていた頃は、まず「ジムに行く」という行動の部分で、一つ気合を入れる必要がありました。雨が降っている日もあれば、風が強い日もある、寒い日もあれば、暑い日もあります。天候によっては、ジムまでの移動自体がめんどくさいということも多々あり、それ以前の問題として、家から出るということ自体が結構な心理的障害でした。

しかし、ハーフラックが家にあれば(もちろん、バーベルやベンチなど、他の器具も必要にはなりますが)、家から一歩も出ずに、ソファーから立ち上がって数歩歩くだけで、そこがフリーウェイトスペースになります

ハーフラックで作ったホームジム

しかも、ジムのフリーウェイトスペースは、平日の夕方前など余程良い時間を狙って行かない限り大抵混んでます。酷い時には、集団で占拠して2時間くらい動かない迷惑な人たちがいる場合もあります。「頑張ってジムに行っても、スペースが空いてないかも…」と思いながらジムに行くのは中々の苦痛で、モチベーションを大きく低下させます。

また、私の通っていたジムは「フリーウェイトスペースは満員、シットアップベンチは井戸端会議場、マシンではおじいちゃんが寝てる」みたいな惨状がよくあったので、益々ジムから足が遠のいていました。こういった環境要因でマッチョボディをあきらめてしまうのは大変勿体ないですが、パワーラック(ハーフラック)があれば、その悩みはほぼ解決します。

パワーラック(ハーフラック)で出来るトレーニング

パワーラックとハーフラックを同じものとして書いていますが、出来るトレーニング内容に関しては若干の差が出てきます。それも踏まえて、パワーラック(ハーフラック)を手に入れることで可能なトレーニングについて、解説していきます。

まず、パワーラックというのは、簡単に言うと長方形の縦長の鉄枠です。その鉄枠に鉄の棒を通すことで、その鉄の棒の上にバーベルを置くことが出来るというのが、パワーラックの存在意義です。

べレッツァ室内

「バーベル乗せてどうするの?」と思う方もいると思いますが、バーベルを乗せる鉄の棒は任意の高さに調節出来るので、高い位置にバーベルを乗せてから重りを増やし、その高重量のバーベルを担いでスクワットを行うなどのトレーニングが可能になります(高重量を地面から上げるのはパワーリフティングの選手でもないと不可能です)。もちろんベンチプレスも同じ原理で出来ます。ベンチプレスはパワーラック(ハーフラック)がないと胸に下ろすしかないため、高重量を扱うなら必須になります。

「ある程度の高さにバーベルを置いて、そこから持ち上げる」というのがパワーラックやハーフラックの使い方です。つまり、「バーベルを使わない」とか「地面から余裕で上げられる重量しか扱わない」という人には無用の器具になります。

また、その特性から「ハーフデッドリフト(トップサイドデッドリフト)」のように、「フルレンジのデッドリフトだと脚に効いてしまうので、背中中心にハーフでやりたい」みたいな感じで、効かせる部位を絞るために、バーベルの始動位置を調整したい場合に役立ちます。

他にもチンニングバー(懸垂バー)が付いているタイプであれば、懸垂やぶら下がってのレッグレイズ(足上げ腹筋)などの種目も可能となります。

WB-HR16チンニングバー

パワーラックとハーフラックの違い

ウェイトトレーニングのメイン種目(BIG3のトレーニング)とも言える「スクワット」と「ベンチプレス」ですが、パワーラックとハーフラックでは扱える重量が変わります。理由は、セーフティーバーの長さです。

パワーラックであっても、ハーフラックであっても、持ち上げたバーベルを落としてしまわないように、力尽きた際にバーベルを落とすためのセーフティーバーというものがついています。セーフティーバーは、最初にバーベルを乗せた棒の位置より低い位置に設置することで、「スクワットでしゃがんだは良いけど立ち上がれなくなった」とか「ベンチプレスで下ろしたは良いけど上げられなくなった」などの状態に陥った時に、そこにバーベルを乗せて退避することが出来るようになっています。

赤線で囲んだ部分がセーフティーバー(パワーラック)
パワーラックセーフティーバー

赤線で囲んだ部分がセーフティーバー(ハーフラック)
ハーフラックセーフティーバー

パワーラックの場合は前述したように「鉄の棒」のようなものを長方形の箱に通すため、基本的には後ろによろけようが、前に傾こうが、バーベルが地面と平行になっている限りセーフティーバーは機能します。しかし、ハーフラックは箱状になっておらず、縦に立った鉄の棒にバーベルを乗せる「フック」が付いたような形になっているため、そのフックをはみ出すと機能しなくなってしまいます。このフックに落とすというのが中々にテクニックを要するため、限界ギリギリくらいの重さだと、そこまでバーベルの制御が出来ず、セーフティーバーにバーベルを落とすことに失敗する可能性が高まります。

セーフティーバーに落とすことに失敗=部屋か自分が大惨事」なので、ある程度コントロール可能な重量で我慢することになります。その結果、ハーフラックはパワーラックと比較すると、扱える重量が下がることになります。

パワーラック(ハーフラック)のメリット

パワーラック(ハーフラック)の一番のメリットは、前述したように「家から一歩も出ずに本格的なウェイトトレーニングが出来る」ことですが、では一般的なトレーニング用品である「ダンベル」を用いるのと何が違うのでしょうか。

メリット1 高重量を扱える

例えば、バーベルを使ったベンチプレスを行う際、パワーラック無しで行うとすると、どのくらいの重量まで扱えるでしょうか。バーベルをラックに引っ掛けることが出来ないため、持ち上げるのは胸の上から、且つ、下ろすのも自分の胸の上となります。持ち上げるのはともかく、下ろすということは「胸の上にバーベルを乗せる」ということになります。

高重量のバーベルを胸に乗せれば、身体には相当なダメージがあります。重量によっては骨くらい折れますし、肺がつぶれる可能性もあります。そこまでいかないにしても、ある程度の重量があれば、結構痛いです。

私はベンチプレスでは70kg程度を扱うことが多いですが、時々Wバーと呼ばれる特殊なバーベルでラックを使わずに軽微なトレーニングを行っています。その際の重量は30kg程度ですが、それでも、胸に乗せると結構痛いです。

Wバー
Wバー

ということで、高重量を扱うためには、どうしてもパワーラック(ハーフラック)が必要になってしまいます。

なお、スクワットに関しては、高重量を地面から肩に担ぎ上げること自体が困難なので、ラック無しではより成立しにくくなります。

メリット2 限界まで追い込める

筋力トレーニングは、限界まで追い込むことが大切と考えられています。「もう無理!」と思ってからの1回、2回が筋肉の成長を大きく促すということです。

メリット1の「高重量を扱える」でもお伝えしたように、ラック無しでベンチプレスを行うと、終わった後のバーベルは胸の上に乗せることになります。ある程度余力を残して、腕の力でサポートした状態で胸に乗せるならともかく、完全に腕を脱力させて胸に乗せたらどうなるでしょうか。重量にもよりますが、怪我しますよね。

しかし、パワーラック(ハーフラック)があれば大丈夫。限界までやった上でラックの上にバーベルを置くも良し、限界を超えて持ち上がらなくなるまで挑んでセーフティーバーに乗せるも良し。追い込めるレベルが全然違います

メリット3 自宅で出来るトレーニングのメニューが劇的に増える

ここまで何度も出てきたベンチプレスやスクワット、スクワットに関しては自重オンリーであれば特に器具は必要ありませんが、バーベルを扱うのであれば「パワーラック(ハーフラック)無しでは、自宅で出来ないメニュー」になります。また、デッドリフトを床からではなくちょっと高いところに置いた状態からスタートさせる「ハーフデッドリフト(トップサイドデッドリフト)」も、ラック無しでは行えません。

他にも、一般的なラックであれば大抵付いているチンニングバーを利用した懸垂やレッグレイズ、オプションで付けることが出来たり、最初から付いてたりするディップスバーを利用したディップスなど、様々なメニューが可能になります。

また、特殊なトレーニングで「あえて低い位置のセーフティーバーにバーベルを乗せて、そこから肩に担いで持ち上げる」というやり方があります。これは「反動を付けられる猶予を無くして、脚の力だけで持ち上げる」ことで、筋肉に大きな負荷をかける手法ですが、こういった工夫を凝らしたトレーニングもパワーラック(ハーフラック)があってこそのメニューになります。

パワーラック(ハーフラック)のデメリット

購入して満足しているハーフラックですが、いくつか不満もあればデメリットもあります。また、デメリットではありませんが、長く使ってるうちに「満足できなくなってきた」という部分もあります。

デメリット1 デカい、引越しの荷物になる

一番のデメリットがこれです。とにかくデカい

人が一人中に入るものなので、相当な大きさがあります。私はかなりコンパクトなハーフラックを使っていますが、それでも高さは2m超え、支柱だけでも1.5畳程度のスペースを取ります。

このトレーニングスペースで約4畳
ハーフラックで作ったホームジム

そして、高重量のバーベルを支えるために支柱は極太。トータルで50kg近くあるので、分解しても運ぶのが中々に大変です。なお、私の持っているハーフラックWB-HR16のパワーラック版、WB-PR16の重量は100kg近くになるので更に大変です。

組み立てもバラすのも運ぶのも中々に大変なので、引越しの予定がある人は良く考えてから買いましょう

デメリット2 そこそこうるさい

限界までベンチプレスを行って、プルプル震える腕でバーベルをラックに戻す。この際に、結構な音がします。

気を使って余力を残し過ぎてしまうとトレーニングになりませんが、かといって追い込みすぎると「ガッシャーン!」と結構な音が出ることも。

と言っても、楽器の音のように断続的に出るわけではないので、多少気を使っていれば苦情が来るようなレベルでは無いと思います。

不満1 セーフティーバーが短くて怖い

これはパワーラックではなくハーフラック限定の不満です。

セーフティーバーというバーベル落下防止の機能がありますが、これがハーフラックは短めになっており、それを意識して扱うのに中々苦労します。セーフティーバーを上手く扱えないと、その恐怖心から扱える重量が小さくなり、また追い込み切れなくもなるため、これが超重要。

慣れればベンチプレスにおいてはほぼ問題無しになるものの、スクワットは慣れても怖い…。ということで、パワーラックなら発生しない不満ですが、ハーフラックに関してはセーフティーバーの短さが結構な不満になっています。

WB-HR16のセーフティーは約20cm
WB-HR16のセーフティー約20cm

ただし、ハーフラックの方が付け替えが簡単で手軽なので、省スペースで圧迫感が無いことも加味すると、どちらが良いかは判断に迷うところだと思います。不満もありますが、私は景観を重視しました。

付け替えはとても簡単で、パワーラックより手軽
WB-HR16セーフティーの付け替えは簡単

不満2 マシンも使いたい

不満というより、日常的に鍛えた結果、よりわがままになってしまったという話です。

自宅でベンチプレスやスクワット、チンニングなどを当たり前にこなす日々が続くと、「いつもと変わった負荷を背中に与えたい、やっぱりラットプルダウンは必要」とか、「体幹気にせず足に集中出来るレッグプレスやりたい」とか、無いものねだりが始まります。

本格的なホームジムを実現している人になると、そういった複合的な種目が可能なマルチマシンを導入しているケースもありますが、価格がパワーラックの比では無く、また空きスペースを考えると、私はそこまでは踏み切れません。

ということで、ただのわがままでしかないのですが、快適なトレーニング環境を作ってしまうと、「更に、更に」と追い求めるようになってしまうところがあるように感じています。

トレーニング沼に浸かっていくということなので、ある意味では良いことなのかもしれませんが…。

パワーラック(ハーフラック)を導入して1年使った結論

総括です。

結論ジムに行くのが面倒と感じる人は買って損無し
近所のジムが常に混んでる人は買う以外の選択肢無し(ジムがまともに使えない)
バーベルを使ったベンチプレス・スクワット・ハーフデッドリフトがやりたいなら必須
高重量で限界まで追い込みたいなら必須
部屋が狭い、引越しを控えてる人は良く考えて
本気のスクワットをやりたい人はハーフでなくパワーラック推奨(※部屋の圧迫感は凄い)
パワーラック買ってもそのうちジムに行きたくなる可能性は高い

「ゴールドジムに通うのが日課」みたいな人は、ジムの豊富なマシンと優れたトレーナーの元でトレーニングした方が捗るので、そうではないタイプの人にお勧めします。ジムに行くのが面倒だとか、ジムで嫌な思いをして行きたくなくなってる人には特におすすめ。

なお、私が使っているハーフラックWB-HR16の新型、WB-HR18はこちら

パワーラックはこちら

になりますが、必ず正規代理店のフィットネスショップで購入することをおすすめします(ゴールドジムを運営している会社です)。

というのも、重量を変えられるダンベルで有名なパワーブロックの偽物がAmazonで販売されており、パワーラックはそれ以上に命に関わる器具となるため、偽物の可能性をゼロにすべきと考えているためです。

フィットネスショップであれば、配送前に一度組み立て・検品を行っているため、正規品であっても、より安全性が担保されるというのが理由です。

なお、パワーテック社のラックはワイドラックと呼ばれる広めの作りになっているので、内寸1300mm以上のバーベルシャフトでなければ使えません。

レギュラーシャフトだと、内寸1300mm以上は、このIVANKOのバーベルシャフトしか見たことありません。オリンピックシャフトなら他にもありますが…値段が数倍になります。