パワーテック製ハーフラック組み立てレポート&必要な工具
ホームジム用にパワーテックのハーフラックWB-HR16を購入して、自宅で組み立てました。
ハーフラックはフルサイズのパワーラックに比べ支柱も少なくシンプルな構造です。そのため、組み立て自体はそこまで難しくなかったのですが、必要な工具を揃えていなかっただけに何度もホームセンターを往復するハメになりました。これからハーフラックを組み立てる人は、事前に工具をきちんと揃えておきましょう。
今回はパワーテックのハーフラックWB-HR16に必要な工具やかかった時間、組み立て方法などをレポートします。
※現在、WB-HR16のリニューアル版として「WB-HR19」が販売されています。WB-HR19はWB-HR16に比べて地面からプルアップバーまでの高さが4cm高くなり、新しいJフックが適用されると言うマイナーチェンジで本体サイズは同じなので、WB-HR19の購入を検討している方も参考にしてみて下さい
パワーテック製ハーフラック組み立てに必要な工具
ハーフラック(WB-HR16)の説明書に書いてある「組み立てに必要な工具」は以下になります。
・六角レンチ(サイズM6)
・レンチ(サイズ13mm、19mm、21mm)
・アジャスタブルレンチ(サイズ8?)
実際は19mm、21mmレンチのみでOK
説明書には六角レンチ、レンチ3種類、アジャスタブルレンチが必要と書いてありますが、実際はレンチが2本あればOKです。
ハーフラックで使用するネジ(ボルトとナットのセット)のサイズは基本的に一種類です(長さは2種類ありますが頭のサイズは同じです)。片方の頭が19mm、片方の頭が21mm。なので実際は19mmと21mmのレンチがあれば組み立てできます。
19mmと21mmのレンチを1本ずつ買ってもいいですし、両方のサイズが使える可変型のモンキーレンチでもOK。ただし両方のサイズが使えるからと言って1本ではダメで、個人的には普通のレンチと可変型のモンキーレンチの組み合わせがオススメです(これについては後述します)。六角レンチ、13mmレンチは、説明書には必要と書いてありましたが、(少なくとも組み立てる上では)どこで使用するのか不明でした。
うちにはある程度工具が揃っていたので、どれかは使えるだろうと思っていたのですが、思ったよりナットが大きく合うサイズがありませんでした。一般的な工具セットを持っていても、サイズが足りない場合があるので、組み立て前に手持ちの工具を確認しておきましょう。サイズが合わなかったため、真夏の真昼間に炎天下の中、ホームセンターまで往復することになりました。
レンチはケチらず買おう
ネジ締めは正直言ってクッッッッソ固いです。
トレーニング用のハーフラックはかなりの重量と負荷がかかるので、しっかりと留めるためナット部分にゴムが仕込んであり、ボルトを締める最後の方はゴムに無理矢理ねじ込むようにしてナットを回していきます。
実際にボルトを締めてみると、力もいりますが、サイズが合った工具が何より重要だと気付きました。最初、レンチ代わりに大きめのペンチで代用してみましたが、しっかりと掴めずガリガリと滑る上に、塗装がはげてしまい使いものになりませんでした。ボルトは全部で20本あります。ここはケチらず19mm、21mmのレンチを購入しましょう。
レンチは2本必要
実際に組み立てて気付いた注意点として、レンチは2本必要です。
回す側のナット用に1本あれば良いかと思って最初1本しか買いませんでしたが、実際に組み立ててみると思った以上にナットが固いので、回さない側(ボルト側)のネジ頭にもう1本レンチをかませて動かないようしっかりと押さえておく必要があります。ボルト側の頭を固定するレンチと、ナット側の頭を回すレンチが必要と言う事です。実際にナットを締めはじめてこの事実に気付き、もう一度炎天下の中、ホームセンターまで行って倒れそうになりました。誰か教えてくれよ!と思ったのでここに書いておきます。レンチは2本買おう。
穴空きタイプのラチェットレンチがめちゃくちゃ楽
1本目は通常のスパナタイプのレンチを購入したのですが、2本目は穴空きタイプ(ナットを穴に入れて回すタイプ)のラチェットレンチにしました。これが使ってみるとめちゃくちゃ楽でした。前述の通り、ハーフラックのボルト締めは固く、力が要ります。1本目は安くて薄いスパナタイプを購入したので、手に食い込んでめちゃくちゃ痛い。ところが穴空きタイプのレンチを使うと力が入れやすくグイグイと楽に締めることができます。固いナット締めで心が折れかけていたので、これは本当に助かりました。お前がMVPだ!
また、たまたま「ラチェットレンチ」と言う穴の中がダイヤルのように回るタイプを購入したのですが、これが大正解でした。ラチェットレンチの穴にはロックがついており、回転方向を一方向に制限することができます。普通のレンチでは締める→ナットからレンチを一度外してまたセットする→締めるという繰り返しですが、ラチェットレンチは逆回転させると空回りしてくれるため、締める→穴にナットをはめたまま戻す(この時に空回りするのでナットが逆方向に緩まない)→締めるの動作ができます。いちいちナットからレンチを外さずに連続してレンチを動かすだけなので、ギッコギッコと往復するだけでネットがグイグイ締まる!締めるのがとても楽でした。そして早い。
設置スペースがギリギリの場合、ボルトが床すれすれの場所や壁すれすれの場所があるのですが、そういった場所でも力が入れやすくスムーズに使えました。テコの原理で固いボルトも小さい力で締められるので、女性にも向いています(そもそも、女性だと普通のレンチではこのパワーラックのボルト締めは厳しいと思います)。
ボルト位置が結構シビア
もうひとつ、組み立てていて気付いたのですが、ボルト位置が狭い所にあり穴空きタイプのレンチだと入らない箇所があります(詳しくは後述します)。1本目に安さに負けて「極薄タイプ」みたいなペラッペラのスパナを買ってしまって大変締めにくく後悔したのですが、ラチェットレンチが入らなかったのでこの狭い場所では活躍しました。
このボルト位置は先が窄まった三角形の形をしているので、穴空きタイプは入りませんが一辺が空いている一般的なスパナなら入ります。ただ、あまりにヘッドが大きいスパナだとヘッドが当たって少ししか回せないかもしれません。
総合すると「締めるのが楽な穴空きタイプのラチェットレンチ」「狭い所に入れられるコンパクトなスパナタイプのレンチ」の2本を用意して、場所によって固定用と締める用で使い分けるのが良いと思います。
しつこいようですが、ネジは20本あります。ここでケチらず、良い工具を用意しておきましょう(電動のインパクトレンチがあれば最高ですが、それでも押さえ用のレンチはもう1本必要です)。
パワーテック製ハーフラック組み立てに必要な人数・時間
途中で何度か中断しましたが、組み立てのみ(梱包を解く時間含まず)で、大人二人で約2時間かかりました。「一人で組み立てできるか?」と聞かれたら「可能かもしれないが、少なくとも自分には無理」と答えます。
このあと詳しくレポートしますが、土台部分と縦支柱部分は一人でも(大変ですが)可能です。ただ、横支柱の部分は「離れているパーツをくっつけて固定する」と言う作業が発生するため、どうしても「パーツを押さえて固定する人」と「そのスキにボルトを締める人」が必要になると感じました。チンニングバーの取りつけも、二人いないとやや厳しいと思います。
可能であれば誰かに手伝ってもらうのが一番だと思いますが、どうしても手伝ってくれる人が確保できない場合は、このあとのレポートを読んでだいたいの難所を予習しておくと多少はスムーズに組み立てできるかもしれません。
パワーテック製ハーフラックを組み立ててみた
前置きが長くなりましたが、いよいよ組み立てです。
開封
梱包を解いてみます。各パーツはしっかり保護されて破損もありません。「ホームジムを作るなら行きたい、フィットネスショップ水道橋に行ってきた」でも書きましたが、ゴールドジムの公式WEBショップで購入したので、事前に国内で組み立て検品済み、パーツの不足などもありません。
パーツによっては指紋がついている部分もありますが、これはフィットネスショップが注文者に届ける前に一度倉庫で組み立てをして不備がないか確認してくれる(無料サービス)ためかと思います。気になる方もいるかもしれませんが、私はむしろ「ちゃんと組み立てしてくれたんだ!」と安心感がありました。
以下公式通販より抜粋
弊社の商品は一部を除き、本場アメリカ等の海外製最新フィットネス用品を輸入したものです。しかし、輸入したアイテムをそのまま日本のお客様へ横流しにするだけでは、我々日本人の求めるクオリティに達しないものが多くあることも事実です。
バーベルバーを一本一本検品し、組み立て式のマシンについては、ご注文後に一台ずつ、自社倉庫にて弊社の専門スタッフが組み立て検品を行うなど、品質改善・維持への投資を行ってきました。施設用器具については、先ずは自社の施設(ゴールドジム)にて十分に使用した上で検証し、日本での販売に耐えうるか判断したものを商品化しております。
所々、小傷はありましたが、これは海外製品ならある程度しょうがないのかなと思ってます。すぐにバーベルのシャフトが当たって傷だらけになるでしょうし。
組み立て注意点
ひとつ自分が間違えたポイントがあるので先にお伝えしておきます。
ボルトは全部で20本ありますが、このうち4本は他の16本より長いです。
この長い4本が土台のボルトになるので、一番最初に使います。最初にボルトを全部並べ、長い4本をピックアップしておきましょう。私は間違えて短いボルトを使ってしまい、また最初からやり直しました。
土台部分
説明書は英語ですが、図解があるので特に問題ありません。EXPLODED DIAGRAM(全体の展開図)、ASSEMBLY ONE(組み立てその1)、ASSEMBLY TWO(組み立てその2)、の図面があるので基本的に図面通りにパーツをボルトで留めていくだけです。
似てるパーツや間違えやすいパーツと言うのが前述のボルトくらいしかないので、間違えて違うパーツを組み立てててしまうと言う事はまずないと思います。このように斜めのパーツを乗せて、ボルト締め。こういった工程で、二人いると捗ります。
土台が完成。ここは簡単です。注意点も特にありません。
縦支柱部分
土台に縦の支柱を立てます。縦支柱は同じものが2本入っていますが、数字の印刷してある方が内側です(説明書に書いてなかったのでフィットネスショップの商品画像で確認しました)。
縦支柱は土台と、土台から斜めに伸びているバーの二箇所に固定するのですが、この斜めバーに固定するボルトの位置がシビア。
こんな感じです。ラチェットレンチが入らない…。地道に極薄レンチで締めました。レンチによっては入らない可能性があるので要注意ポイントです。
横支柱部分(最大難所)
縦支柱を立てたら、その間を渡すようにして横支柱を取りつけるのですが、ここが最大難所です。片方をボルトで固定してもう片方を留めようとすると…。
こんなに離れています。
そのため、縦支柱と横支柱をグッと近づけて(結構力が要ります)ボルト締めしないといけません。ここが一番「二人必要」と感じた部分です。一人でも組み立て可能ですが、それなりの握力が必要だと思います。
横支柱を固定したら、横支柱にチンニングバーを取りつけます。チンニングバーもそこそこの重さがあるので、チンニングバーを持つ人、ボルトで固定する人、の二人いた方がスムーズです。チンニングバーを取りつけたら、組み立ては完了です。
我が家ではリビングに設置しましたが、設置箇所がちょうどエアコンの埋め込み位置で天井が低くなっているため、天井高はわりとギリギリです。
設置スペースについては別記事で詳しく解説したのでそちらをご覧ください。
セーフティラック取りつけ
ハーフラック(WB-HR16)にはセーフティラックが2箇所つけられます。ここをどう取り付けするか、実際にやるまで分かっていなかったのですが、ボルト締めなどはなく出っ張りを穴にスポッとハメてクルッと捻るだけです。
これがWB-HR16の良いところ。安いパワーラックはここが棒を貫通させる形になっており、高さを変えるのがかなり面倒と言われています。
貫通式の方が安定度は高いと思いますが、セーフティーバーのベストな位置はしばらく使ってみないと分からないですし、トレーニング内容によって手軽に高さを変えられるのでとても便利です。
説明書では長い方が「セーフティスポッター」、短い方が「セーフティキャッチ」と言う名称になっています。パワーラックやハーフラックのセーフティバーはトレーニングマシン選びでは重要な部分になるので、セーフティーバーについては別途記事を書きました。
詳細レビューはこちらをご覧ください。
組み立てをしてみて
負担がかかるトレーニングマシンだけにボルトが固く、ボルト締めが一番苦戦しました。そのため、使う工具(レンチ)次第で組み立て難易度がかなり変わるなと感じました。ボルト締めは安全性にも関わるので、しつこいようですがレンチは良いものを買いましょう(3回目)。引越す時の解体作業にも使えます(使いました)。
商品自体には非常に満足しています。しっかりした作り、重量感、質感、共に高級感があり安心して身体を任せられるクオリティです。高かったけど買って良かった。使用感など、詳しくは別記事にしたので、購入を検討している人は参考にしてください。
ハーフラックを実際に使ってのレビューはコチラ
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