安い低温調理器・真空調理器を探す。ANOVAは炊飯器やヨーグルトメーカーで代用できるのか?

2017-09-28 2017-09-29

低温調理器・真空調理器に興味を持った人が最初に考えるのが「どうしたら安く低温調理できるのか?」ではないでしょうか。

自分でお湯の温度を測りながら、もしくは目分量で行う低温調理には限界があります。どうしても温度管理が安定せず、仕上がりもムラができます。低温調理専門の家電が欲しい…。

低温調理器と言えば「ANOVA」が一番有名ですが、2万円と高い。
欲しい、でも高い。

果たして本当にそこまで出す価値があるのか…もっと安く低温調理ができる機械がないのか…何か他の家電で代用できないのか…。低温調理をしている人は一度は通る悩みだと思います。

そこで、ANOVA以外で低温調理できそうな家電があるのか、それらで本当に代用できるのか、比較検討してみました。

低温調理・真空調理のルール確認

肉のタンパク質は63度から固まりはじめ、68度くらいから水分を分離し始めます。
そのため、このタンパク質凝固・分水作用が始まる温度以下で調理をすれば、肉を軟らかく・ジューシーに仕上げることができると言うのが低温調理・真空調理の仕組みです。

つまり、ANOVAのような低温調理専門器でなくても、55度~65度くらいを維持できる家電があれば充分低温調理器として使えるのでは?と言う観点で代用品を探してみます。

ヨーグルトメーカーで低温調理

まず真っ先に頭に浮かぶのが、ヨーグルトメーカーです。我が家にもヨーグルトメーカーがあり毎日せっせと自作R-1ヨーグルトを量産しているのですが、言われてみればヨーグルトメーカーも「一定の温度を維持する」ことでヨーグルトを作る機械なので、低温調理に流用できそうです。

我が家のヨーグルトメーカーは牛乳パックをそのまま入れる形のため、牛乳パックがぴったり収まるサイズになっています。当然防水にもなってません。そのため、直接液体を入れられるタイプで、温度設定ができるタイプを探してみます。

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ヨーグルトメーカーで一番有名なのはTANICAの「ヨーグルティア」。設定温度は25度~70度と問題ありませんが、容量が1200mlと小さすぎます。背の低い円柱状の形なので、長いものも入りません。基本的に低温調理は大きな肉のブロックなどを調理することが多いので、容量が小さくてはお話になりません。
また、結構いい値段するので、1万円出すなら2万円でANOVAを買った方が良いよね、となってしまいますし、当初の「安く低温調理器の変わりになるものを探す」と言う意味ではイマイチかなと思います。

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安さを追求するなら、ROOMMATE「いきいきヨーグルト&納豆家族」。
容量が1500mlとヨーグルティアより多く値段も3600円と安いのが魅力ですが、設定温度が20度~55度と低すぎます。これでは低温調理は厳しい。ヨーグルトを作成する場合の適温は45度前後なので、45度で変更できない機種も多いです(我が家のヨーグルトメーカーも温度変更できません)。

全体的にヨーグルトメーカーは大きくても1500mlを超えるものがなく、容量不足です。
低温調理で有名な漫画家、小林銅蟲先生の「めしにしましょう」でもヨーグルトメーカーでの低温調理の話がチラッと出ていますが、ヨーグルトメーカーは「小さくて火力が弱い」「水の量が多い方が温度が安定する」と書かれています。

ヨーグルトメーカー低温調理

もともとヨーグルトを作る目的でヨーグルトメーカーを持っており、あくまで「おまけとして」低温調理を試してみるのは良いかもしれませんが、小さいものしか調理できないため低温調理目的でヨーグルトメーカーを購入するのは微妙でしょう。

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シャトルシェフで低温調理

次に思いつくのが保温調理器「シャトルシェフ」。ほっとくだけでカレーや煮込みが美味しくできるという主婦の心をつかむキャッチコピーで、一時期流行した調理器具です。最小サイズ1.6Lから最大サイズ8.0Lまでサイズが豊富。お値段は6,600円~22,200円です。

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保温して調理、と言う点では一見良さそうに見えますが、シャトルシェフは電源がなく魔法瓶のような仕組みで保温するだけの調理器具のため温度が下がっても上げることはできません。つまり、一回シャトルシェフに入れたら温度は下がる一方、と言うことです。

公式サイトでシャトルシェフの温度変化グラフが公開されていますが、95度のお湯が6時間で75度までしか下がっていません。保温器具としては優秀ですが、一定の温度を維持できないという点で低温調理器としては使えません。

シャトルシェフ温度変化

シャトルシェフのレシピを見てみると、ローストビーフのレシピが載っています。
約85度のお湯を保温容器に入れてジップロックに入れた肉を入れ、30分以上保温。30分でレア、45分でミディアムレア、60分でウェルダンに仕上がるというレシピですが、冷たい肉を入れて温度が下がる事を考慮しても85度のお湯に入れるのはちょっと熱すぎますね。前述したように、肉ならタンパク質が凝固し、水分が分離してしまうでしょう。

低い温度からスタートして、途中で温度を見ながらお湯を継ぎ足せば低温調理ができないことはありませんが、結局自分で温度管理するのであれば発泡スチロールに肉を入れても同じだろ、と言う気がします。

シャトルシェフは「保温で煮込み」をメインに考えられた商品であり、正確に一定の温度を保つことを目的に作られていません。低温調理・真空調理は55度~65度の温度を保ち続ける、と言う定義から考えると「低温調理器」としての用途には使えないかなと思います。

炊飯器で低温調理

炊飯器の「保温機能」を使う方法はどうでしょう。温度が下がったら熱してくれますし、一定の温度を保つと言う目的には合っていそうです。ごはんも炊けるので、少々高くても家にあって困ると言う人はいない家電でしょう。

炊飯器の保温機能はメーカーによって変わりますが、ほとんどの炊飯器が通常の保温で70度前後に設定されているので低温調理としては温度が高すぎです。「低め保温」など低い温度で保温するモードがある機種は60度前後に温度が設定されているので低温調理に使えます。

象印の炊飯器は以前は「低め保温」モードがありましたが、現在はすべて「うるつや保温」と言う「ごはんを劣化させない低めの温度」になっているようです。「うるつや保温」は象印の公式ホームページを調べても何度なのかハッキリ書いていないので温度は不明です。低め保温同様、60度前後であれば使えそうですが…。

価格 14,500
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「低め保温」がついている、または保温の温度が自由に設定できる、と言う炊飯器をお持ちであれば低温調理を試すのは全然アリだと思いますが、通常の保温機能を使って低温調理をするために新たに炊飯器を買おうとしている人には「通常の保温では温度が高すぎ」な旨をお伝えしておきたいと思います。

電気圧力鍋で低温調理

次に電気圧力鍋を見てみましょう。なんとなく、見た目はやってくれそうな期待が持てます。

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電気圧力鍋は基本的に「加熱→圧力→保温」という順で熱と圧力を加え、食材を調理する機械です。そのため保温単体の機能にそこまで力をいれておらず、いくつかの製品を比較してみましたが自由に保温温度を設定できる機種はありませんでした(少なくとも私が調べた範囲では)。

そんな中、上記のパナソニックのマイコン電気圧力なべには「低温調理機能」が…!取扱説明書をダウンロードして温度を確認してみましょう。

低温調理圧力鍋

Oh…。

低温調理は70~85度の三段階、保温モードも70度の固定です。惜しい、惜しいよパナソニック。もう一段階低い温度の低温調理モードが欲しかった。

低温調理に向いた調理器具は、意外にない

ANOVAの購入を迷っていた時は「同じ温度をキープする家電なんていっぱいあるだろ」と簡単に考えていましたが、こうして色々な調理器具を探して温度をきちんと調べてみると「55度~65度の一定の温度を保つ」家電が意外にない事に気づきます。70度で良ければ炊飯器の保温機能で済むんですけどね。

他にもスープメーカーや調理ケトルなども見てみたのですが、温度が自由に設定できなかったり、小さすぎたりして使えそうな製品がありませんでした。大人数で鍋をやるときの電気鍋も考えましたが、あれでは浅すぎて湯に肉が浸かりません。意外に難しい。

結局「たっぷりのお湯で」と言う話になるとバカでかい機械を買うしかなく、そう考えるとANOVAの「入れ物はいくらでもでかくできる(対応容量19リットル)」と言うのは実はものすごく便利な事なんだなと気づかされます。参考までに、家庭用の24cm寸胴鍋で容量は10L程度です。

自分で散々調べて「ANOVAは他の調理家電では代用できないものだ」と言う結論に至ったので、結局ANOVAを購入しました。納得して買えたので良かったです。

購入する際に迷った機種などはこちらにまとめました。宜しければこちらも併せてお読みください。

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