LINEスマート投資の「ワンコイン投資」が儲からないと思う理由

普段キャッシュレス決済のLINE Payを愛用しているのですが、先日LinePayからLINEのトークで「LINE Payを使って積立投資ができるようになったよ!」とお知らせが来ました。

気になってリンク先を見てみると、元々あったLINEの投資サービス「LINEスマート投資」の中で、週1回500円から投資ができる「ワンコイン投資」がスタートしたという内容でした。

私は普段から株や投資信託を運用しているのですが、この「ワンコイン投資」の内容を詳しく見るとなかなかに悪どいな…と思わせる内容だったので、注意喚起も兼ねてLINEの「ワンコイン投資」について書いてみようと思います。

LINEスマート投資の「ワンコイン投資」とは?

キャッチコピーは「週1回ワンコイン500円から始められる積立投資」。
LINE Payの残高を投資すると、ロボアドバイザー(運用アルゴリズム)があなたに代わって資産を運用をしてくれるサービスです。

LINEスマート投資の「ワンコイン投資」のメリットとしては、以下の3点が挙げられています。

・投資金額が週500円と少額
・LINE Payから自動引落なので手間がない(?)
・運用はロボアドバイザーが勝手にやってくれる

LINEワンコイン投資デメリット

自動引落はどこの証券会社も同じなのであえてメリットとして挙げる意味はあまりないと思うのですが、一番の魅力は週500円と言う投資額の少なさでしょう。
老後2000万円問題などで資産運用の必要性に注目が集まる中、「投資はしたいが金がない」と言う人をうまくターゲットにした商品だと思います。

見るべきは投資金額でなく、手数料

週500円から投資できる手軽さからか、Twitterなどを見ると早速LINEスマート投資で「500円だけどコツコツ投資してる!」「少しだけど増えてて嬉しい♪」と言うウキウキした声が聞こえてきます。

ところが、ワンコイン投資の手数料について話している人はほとんどいません。
これが、すごく危険だなあと思う訳です。

株でも投資信託(ETF)でもロボアドバイザーでも、投資には手数料がかかります。
そして、この手数料がバカになりません。少額投資をするのであれば、なおさら手数料は重要です。

LINEスマート投資の「ワンコイン投資」の手数料

では、LINEスマート投資の「ワンコイン投資」にどれくらい手数料がかかるのか見てみましょう。

まず、2019/4/25~2020/4/24は期間限定で運用手数料が無料です。これは良いとしましょう。手数料が無料ならどんどん投資してみて良いと思います。

LINE投資手数料無料

問題は、期間限定の無料期間が終わったあとの運用手数料です。
LINEスマート投資の「手数料とリスクについて」のページで確認してみます。

LINEワンコイン投資手数料

ワンコイン投資:運用報酬料

1. 投資一任契約に基づく報酬の料率は、運用資産に組み入れられたETFの時価評価額に応じて、以下のとおりとします。

運用資産に組み入れられたETFの時価評価額が3,000万円以下の部分
以下のAまたはBのいずれか高い方を月次報酬額とします。

A:毎月1日から月末日までの日次報酬額(年率1.00%(税抜))を合計した金額。ただし、1円未満の端数は切り捨てます。
B:100円(税抜)

分かりづらいと思うのですが、要するに毎月最低100円以上の手数料がかかります。

100円なんてなんて大したことないって思いますよね?
では、実際にワンコイン投資をした場合の具体的な金額を見てみましょう。

週1回500円を投資したとして、月4回で合計2,000円です。
2,000円投資して、手数料が100円かかります。これは、パーセンテージで言うと5%になります。

LINEスマート投資の「ワンコイン投資」の場合、運用先は海外上場投資信託(ETF)と書いてあります。
海外上場投資信託(ETF)は当然、プラスになる時もあればマイナスになる時もあります。

毎月2,000円投資して、仮に運用益が±0だったとします。
得もしてなければ損もしてない、と思いますか?それは大きな間違いです。

運用益が±0だった場合、手数料が引かれて翌月には資産が1,900円に減ります。その翌月も同じ金額投資した場合は1900+1900で3,800円に。運用益が出ない限りこれが続いていきます。

月次報酬額が引かれるタイミングが書いてないのであくまで計算上ですが、運用でマイナスにならなくても、資産が減っていくのです。それが、手数料です。

投資をする際は手数料が重要、と言われる訳が分かって頂けたのではないでしょうか。

なお、月100円ではなく年利1%の方が選択されるのは、投資額の合計が12万円を超えた場合になります。12万円の1%は1,200円。これを月々の支払いに分割すると月100円ということです。

3,000万円以上の投資額があれば手数料は0.5%になるということなので、LINE「ワンコイン投資」の手数料は0.5%~5%になります。

LINE「ワンコイン投資」の手数料は高いのか?

では、この0.5%~5%の手数料が安いのか高いのか見てみましょう。

これは、私が使っている楽天証券の積立投資信託の金額ランキング(買われている金額が多い順)です。

積み立て投信ランキング

人気ランキング1位~5位の全ての投資信託で、管理手数料は年利で0.12~0.22%。LINE「ワンコイン投資」の月次報酬額「0.5~5%」が、いかに高いかは一目瞭然です。

ロボアドとしての手数料としては平均的?

LINE「ワンコイン投資」では、ロボアドバイザーと言う運用アルゴリズムを使って投資金を運用しています。

ノーベル賞受賞理論に基づいた何だかスゴイ運用アルゴリズムが海外上場投資信託(ETF)に分散投資して、リスクを抑えながらお金を増やしてくれるよ、と言うのが謳い文句です。確かに、自分であれこれ考えて運用しなくて良いのは楽です。

ロボアドバイザーは最近ブームになっており、テオ・ウェルスナビ・フォリオ・楽ラップなど色々な会社がサービスを提供していて各社の手数料は年率0.65~1.00%程度です。

楽ラップ手数料

そう考えるとLINE「ワンコイン投資」で12万円以上の投資を行った際の手数料「0.5~1%」であればそれほど法外な手数料ではないと言えますが、12万円以下で「税抜100円(1~5%)」の手数料が引かれるのであれば他のロボアドと比べても手数料はかなり高いと言えます。

ただ、3,000万円以上の投資額においては手数料が0.5%と他のロボアドバイザーに比べて割安になっているので、どうしてもロボアドバイザーを使いたいという資産家には、選択肢の一つになりえるかもしれません。「ワンコイン」どころか「札束」投資になりますが。

そもそも、ロボアドじゃなきゃダメなのか?

あくまで私が少額投資をするならですが、そもそもロボアドバイザーは0.65~1.00%と手数料が高い時点で投資の選択肢から外れます。

投資において、手数料と言うのは何もしなくても資産がマイナスになると言うことです。前述のように、運用益が±0の場合、資産は手数料の分だけ減り続けます。手数料が高いと言う事は、それだけマイナスからのスタートになります。

同時に、他の金融商品より高い手数料を払うと言う事は、他の金融商品より高い運用益を出さないと、同じ金額の利益は出せないと言う事です。
ロボアドバイザーのことをよく理解した上で、高い手数料を払ってもロボアドバイザーならそれを上回る利益が出せるんだ!と言う確固たる意志があるなら止めはしませんが、少額投資をしたい、これから投資を始めてみたいと言う人でそこまで知識のある人は少ないのではないでしょうか?

特にこだわりがないのであれば積立NISA(毎月100円から積立可能)で手数料が少ない投資信託を買えばいいんじゃないの?と、個人的には思っています。

私は上記のランキングに載っていた手数料の安い「eMAXIS Slim 米国株式」や「eMAXIS Slim 先進国」をNISAで積み立てて買っています。通常株や投資信託の運用益には約20%の税金がかかりますが、NISAなら運用益は非課税になります。儲かったあとのことまで考えている人は少ないかもしれませんが、せっかくプラスになったのであれば、その利益の20%持ってかれずに済むのは大きいです。

そもそも、投資対象が選べない投資とは

もう一つ、私がLINE「ワンコイン投資」をオススメできない理由は、投資対象が選べないからです。

Q.投資対象は選択できますか?
A.ワンコイン投資サービスは投資一任契約であるため、投資対象をご選択いただけません。

自分のお金を投資するのに、何に投資してるのか分からないって怖くないですか?

LINE「ワンコイン投資」の運用先は海外上場投資信託(ETF)ですが、一口に投資信託と言っても色々あります。
まず投資先。海外と言っても全世界、先進国、新興国と「どこに」投資するかと言う問題がありますし、投資内容も株、債券、不動産と多様なジャンルがあります。変わったところでは電気自動車、5Gなど特定のテーマに沿って投資を行うテーマ型ファンドもあります。

自分が頑張って稼いだなけなしのお金を、「どこの何に投資してるのか分からない」と言うのはお金の使い方としてあまりにリスクが高すぎるのではないかなと思います。

LINE「ワンコイン投資」が儲からないと思う理由

ここまで読めば理解して頂けたと思います。

私がLINE「ワンコイン投資」が儲からないと思う理由は、単純に手数料が高すぎるからです。

投資で月5%と言うのは、結構な好成績です。
LINE「ワンコイン投資」は、仮に月5%の利益が出ても、利益を手数料で全部持って行かれてしまいます。

手数料5%と言うのはあくまで最小金額の月2,000円を投資した場合の概算で、投資金額が上がるほど手数料は下がりますが、そもそも「ワンコイン」を売りにしている投資商品ですから少額を投資する人がほとんどでしょう。少額投資をセールスポイントにしながらも少額なら少額なほど手数料が上がり儲けが少なくなる、と言う矛盾した商品だと思います(そこがLINE的にはオイシイのでしょうが)。

積立投資で重要な考え方に「複利」があります。
少ない金額をコツコツ積み立てて利益が出れば、その利益が元手に組み込まれるので元手が大きくなりさらに運用益を得ることができると言う考え方です。
手数料が高いということは、その複利効果が減ってしまうと言う事です。少額であればあるほど、手数料にはこだわりましょう。

冒頭で挙げたように、LINE「ワンコイン投資」は2019/4/25~2020/4/24は手数料無料です。
あくまでこの期間だけと割り切って試してみるのはアリですが、長期間やって儲かるものではないと、個人的には思っています。